親子のコミュニケーション
お子さんとどのようなコミュニケーションをとっていますか。
「宿題は終わったの」「何度言えばわかるの」「余計なことばかりして」など、つい声を張り上げてしまいがちなのが親子の会話。でも声を大きさに比例して子供は動かない、変わらない。そんなことはありませんか。
もしそのようなときがあったらアイメッセージを試してみてはいかがでしょうか。
気持ちを伝えるアイメッセージ
アイメッセージとは主語が「I(アイ)」つまり「私」となる話し方です。上記に挙げた
「宿題は終わったの」「何度言えばわかるの」「余計なことばかりして」 などは主語が「あなた(ユー)」のユーメッセージと呼ばれます。
「宿題は終わったの」 → 「(あなたは)宿題は終わったの」
「何度言えばわかるの」 → 「(あなたは)何度言えばわかるの」
このような言い方をされると人は非難されている、コントロールされているように感じます。(実際にそのようにして子供を動かそう、コントロールしよう、としていますね。
このメッセージを受け取った人はありのままの自分が受け入れられず、自己肯定感ではなく自己否定感が強まると言われています。そのため反発したり、落ち込んだり、仮に素直に聞いているように見えても親と争うのが面倒なので、仕方なく従っているということになりがちです。
これの反対がアイメッセージです。
「ご飯の前に宿題が終わっていたら、夜の時間を落ち着いて過ごせるので(私は)安心できる。」
「重要なことなので、話を聞いて(理解して)もらえたら(私は)嬉しい。」
アイメッセージとユーメッセージの違い
ユーメッセージは、たとえ自分が意識して思っていなくとも相手をコントロールしようとする意図があります。
反対にアイメッセージは自分の思いを伝えることが主体で、相手を非難すること、コントロールする意図は本来ありません。
そのためアイメッセージを伝えたからと言ってすぐに相手の行動が変わるかはわかりませんが、少なくとも相手に気持ちを伝え、それについて考えてもらう機会にはなります。つまり行動の決定権はまだ相手にある状態です。
ユーメッセージでは、喧嘩になるか、本心が見えないことが多いですが、アイメッセージでは相手とのコミュニケーションが図れます。その結果がすべて自分にとって好ましいものかはわかりませんが、この相手について考える機会の繰り返しがコミュニケーション能力の向上につながります。このような会話から、お互いにとって快適と思える状態を築いていくことになります。
アイメッセージを伝えるときの注意点
すべての会話の主語を私にして、アイメッセージにすれば問題が解決ということではありません。アイメッセージの本質は自分の気持ちを伝えることであり、相手をコントロールすることではありません。たとえ主語が私であっても相手をコントロールするような言葉であればそれはユーメッセージになります。
例えば「○○してくれないなら、私は××しません。」
これは完全に相手の行動をコントロールする意図がある言葉です。どんな言葉を投げかけたらコミュニケーションが続くのかは、自分が他人に同じようなことを言われた時のことをイメージするとわかりやすいです。
アイメッセージで自分と相手と良い関係を築く
アイメッセージで相手に気持ちを伝えるということは自分がどのようなことを気持ちよく、逆に不快に感じるかを知ることにもなります。そうするとさらに自分の気持ちや状態を相手に伝えることができます。自分の子供にしても、他者にしても、最初から喧嘩をしたい人はいません。人は一人で生きていくわけではありませんので、良好な関係を築くアイメッセージを的確に使えたらいいなと日々感じています。